A. 母乳やミルクの摂取量が減った場合は水分補給が必要。水分の摂取量は体重を基準に考えましょう。
ご質問ありがとうございます。離乳食開始後は進み方による個人差も大きいですが、水分摂取量が少なくなりがちです。今回は離乳食開始後の、水分補給についてお話をしたいと思います。
乳児では離乳食開始に伴い、母乳やミルクの摂取量が減った場合は、その分の水分補給が必要になりますが、必要な補給量に関しては体重を基準に考えることが一般的です。
10kgまでの乳児であれば、経口での必要水分摂取量は約120〜140mL/kg/日程度です。
例えば、7kgの赤ちゃんなら900〜1000mL/日程度が必要になります。ここからミルクや離乳食に含まれる水分を引いたものが、水やお茶で与える量の目安になります。あくまで目安で、多少の増減は腎臓が体内水分量のコントロールをしてくれているため問題ありません。
また夏の外出や入浴後など水分が失われると予想される状況では、積極的に水分補給を行いましょう。赤ちゃんは身体からの水分蒸散量も多く、脱水にはなりやすいですが、水分の過剰摂取になることはあまりありません。
離乳食期に飲ませるものは軟水や麦茶が◎。最初はスプーンで与えるのがおすすめ
離乳食開始に伴う水分補給として飲ませるものは軟水や麦茶が良く、硬水はミネラルが多いため避けた方が良いです。
この場合の飲用水として一般の水道水を使用しても問題ありませんが、細菌汚染やトリハロメタンが気になる場合は水道水を10分以上煮沸することでこれらを除去することが可能です。
煮沸した場合は塩素の効果もなくなってしまい、長期間の保存には向かないため、煮沸後早めに使用するようにしてください。
水分補給に使用する器具としてはスプーン、哺乳瓶、スパウトマグ、ストローマグなどがあります。最初はスプーンを使用すると良いと思います。
スパウトマグは5か月ごろ、ストローマグは8か月ごろから使用することが多いですが、口や舌の協調運動の器用さにはとても幅がありますし、赤ちゃんの好みもあるため、「お子さんが飲みやすそうなものを使用する」で良いと思います。
病気のときは早めに医療機関を受診しましょう。水分補給も医師の判断を
感染性胃腸炎などで下痢や嘔吐が続く場合は水分補給も大事ですが、あまり頑張りすぎず、早めに医療機関を受診し、脱水の程度をみてもらうようにしてください。
胃腸炎などで食事が取れない時に水やお茶のみで水分補給をした場合、塩分や糖分が足りなくなってしまい、さらに具合が悪くなってしまうことがあります。
この場合は水やお茶での水分補給は避け、塩分・糖分のしっかり含まれているOS-1やアクアライトのような経口補水液を摂取することが好ましいです。
■回答してくれたのはこの方■
濵野 翔 先生
杏林大学医学部卒。小児科医。アレルギーと呼吸器を専門とした小児科「ベスタこどもとアレルギーのクリニック」院長。
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