A. 赤ちゃんの様子を見ながら臨機応変に少しずつ形状を変えると、ステップアップもスムーズ。でも焦らず赤ちゃんのペースを大切に進めましょう。
離乳期は月齢ごとの目安で初期・中期・後期・完了期と分けられて、その時期にあう離乳食の形状などが紹介されています。まずはそういったものを参考にするのがおすすめです。
5〜6か月ごろ(初期) | 7〜8か月ごろ(中期) | 9〜11か月ごろ(後期) | 12〜18か月ごろ(完了期) | |
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かたさの目安 | なめらかなヨーグルト状 | 指で楽につぶすことのできる絹ごし豆腐くらいの固さ | 指でつぶせるバナナくらいの固さ | やわらかい肉だんごくらいの固さ |
おかゆ |
10倍がゆ |
7倍がゆ |
5倍がゆ |
軟飯 |
にんじん (野菜) |
なめらかなペースト状 |
細かくすりつぶすか2〜3mmのみじん切り |
3〜4mmくらいの粗みじん切り |
7mm〜1cm角にする |
魚 |
なめらかにすりつぶし、とろみをつける |
すりつぶして、とろみをつける |
粗くほぐす |
1cmほどの大きさに切る |
例えばご飯で見てみると、初期の5~6か月ではすりつぶした10倍がゆ、中期の7~8か月では7倍がゆになっています。
赤ちゃんに10倍がゆを2か月食べさせて、7か月になった日に7倍がゆをいきなりあげてもこれは食べることができません。実際赤ちゃんに食べさせるときにはこの“間の段階”というのがあり、2か月同じ状態のものをあげることはありません。
初期のおかゆを例にみてみましょう。
2. 口を閉じて飲み込むことができたら、少しずつ粒を残した状態にして練習する
3. 上手に食べられるようになったら、10倍がゆよりも少し水分を減らし、練習する
一般的に言われる10倍がゆから7倍がゆに移っていくまでに少しずつ 形状を変えたものを試していき、7か月くらいになったときには7倍がゆに近いものが食べられるようになっているということになります。
食材によって進みが違うことも
ほかの食材も一緒です。どの食材もいきなりステップアップはできません。そして食材によってすすむ度合いも違うことを覚えておいてください。
私が見ていると、葉物や魚などは食べにくいこともあり、進み方はゆっくりです。早いのはお豆腐です。簡単に上あごと舌で潰すことができるので、ほかの食材が3mm角ぐらいでも、お豆腐は5~7mm角でも上手に食べられる子もいます。
なので、離乳食も同じ形状でたくさん作りためてしまうと、その大きさが食べられるようになっているのに次の段階にすすめなくなっているお子さんもよく見かけます。
お子さんの食べる様子・お口の動きを見ながら離乳食の形状を臨機応変に変えていってあげることがスムーズに次へ進めるポイントかと思います。
そして、離乳食を進めるなかで体調不良で食べが悪くなったりした場合は、必ず前の段階に戻してあげてください。
大人でも具合が悪くなったりすれば、おかゆを食べたりしますよね。赤ちゃんも熱が出たり、胃腸の具合が悪くなったときには様子を見て食べやすい形状にしてあげることも大切です。
先に進めていきたいママの気持ちはよくわかりますが、丸飲みのクセがついたり噛めない子になってしまうのは幼児食になったときに困るので、焦らず進めていきましょう。
■回答してくれたのはこの方■
山本 理江 先生
管理栄養士・フードコーディネーター。乳幼児健診での食事指導や離乳食~幼児食教室に携わる。食育講演、子育てに関する講演および料理教室なども行っている。
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