赤ちゃんに離乳食開始OKサインが見られたら、離乳食もいよいよスタートです。初めてのことなのでママも赤ちゃんもドキドキ、不安もありますよね。離乳食の進み具合は赤ちゃんによってさまざま。もし順調に進まなくても大丈夫です。焦らずゆっくりと進めましょう。
スタートの目安は?
いつから始めたらいいか迷ったら、赤ちゃんの様子を観察してみましょう。赤ちゃんに以下の様子が見られたら開始のサインです。参考にしてみてください。
1.首がしっかりと座っている
縦抱っこをするときに、首に手を添えなくても自分で頭を支えられるようなら大丈夫です。
2.腰がすわっている
5秒以上座っていられるかを確認しましょう。
3.大人が食べる様子に興味を示す
大人が食べるものを目で追ったり、よだれがでてきたり、口をもぐもぐするなど、食べる様子に興味を持っているか確認してみてください。
4.スプーンなどを口に入れたときに舌で押し出さない
スプーンを舌先にあてたときに、スプーンを押し出すようならまだ少し開始時期が早いかもしれません。押し出す様子が減ってきたら開始のサイン。
5.唾液の量が増えてきている
個人差はありますが、以前より唾液の量が増えてきたなと思ったら、消化機能が整ってきた合図です。
進め方のポイント
赤ちゃんの準備が整ったら離乳食をいよいよ始めてみましょう。進め方のポイントをいくつかご紹介します。
1.1日1回の離乳食で食べることに慣れよう
この時期は食べることに慣れること、楽しさを伝えることが目標です。栄養は母乳やミルクからとっているので、スプーンを嫌がったり、口から出してしまっても気にしすぎないでくださいね。開始時期を遅らせるなど、赤ちゃんのペースで進めて大丈夫です。
2.離乳食デビューはおかゆから
最初はアレルギーの心配が少なく消化吸収のよいお米のおかゆがおすすめです。おかゆはなめらかにすりつぶしたポタージュ状のものを与えます。慣れたらペースト状の野菜を足していきましょう。
3.初めての食材は1日小さじ1から
この時期に新しい食材を与える場合は、小さじ1から始めて徐々に増やしていくのが基本です。
ただ、すべての食材が小さじ1からというわけではありません。アレルギーの心配がある食材は少量から与えるなど、与える量を確認しながら慎重に進めましょう。
また、初めてあげる食材は午前中に食べさせます。これはもし何かあった場合に病院の午前の診療時間に診てもらえるからです。
小さじ1のおかゆからスタートし、1日おきに量を増やすくらいのゆったりとしたペースで始めましょう。次に野菜や豆腐などのたんぱく質を与え、約1か月かけて炭水化物、たんぱく質、ビタミン・ミネラルの3つの栄養素に慣らしていきます。
4.赤ちゃんのペースにあわせて慌てずゆっくり
ママやパパはたくさん食べてもらいたい気持ちから、ついスプーンの運びが早くなりがち。赤ちゃんのペースで食べることができるよう、様子をよく見ながら与えます。食べなくても無理にあげようとしなくて大丈夫です。翌日にトライしてみるなど赤ちゃんのペースで焦らず進めましょう。
5.慣れてきたら中期に進む前に2回食を試してもOK
離乳中期ごろ(7~8か月)から2回食になります。食べられる量が増えてきて、食べることに慣れてきたなと感じたら、中期に進む少し前から離乳食を1日2回に増やしてみても大丈夫です。
2回食を始めたばかりのころは1回目の1/3の量くらいから始めると慣れやすいでしょう。食べられる食材の数も徐々に増やしていきます。この時も無理をせず、1回にあげる量も様子を見ながら与えてください。
やわらかさ、大きさの目安、味付けは?
離乳初期はまだ噛むことができないので、唇を閉じて飲み込むことが目標です。赤ちゃんの発達にあわせたやわらかさや大きさにしましょう。離乳食を始めたころは素材そのものの味で十分ですが、だしをうまく活用するのもおすすめです。
やわらかさ、大きさの目安
離乳食を始めたころ(前半)10倍がゆ
離乳食を始めたころは、10倍がゆをすりつぶし、なめらかにしたポタージュ状のものを与えます。
野菜
野菜はペースト状にしたものを湯冷ましでなめらかにすると、赤ちゃんが飲み込みやすくなります。
慣れてきたころ(後半)
赤ちゃんが慣れてきたら、おかゆはお米の粒が少し残るようにすりつぶしていきます。野菜も慣れてきたら湯冷ましを少し減らすなど調整してみましょう。
薄味が基本!味付けはだしのみ
離乳食を始めたころは何も味をつけずに与えますが、だしを活用することで、離乳食に味の変化をもたらすことができます。離乳初期から使えるのは昆布だしと野菜だしです。
1食分の目安量は?
- 炭水化物(お米、パン、麺類)
- たんぱく質(卵、白身魚、豆腐)
- ビタミン・ミネラル(野菜、果物)
上記の3つの栄養素に分けて、それぞれを少しずつ増やしていきます。食材にもよりますが、小さじ1から始めるのが基本です。始めたころと1か月経ったころのおよその目安をまとめました。
離乳食を始めたころ~1か月(前半)
離乳食を始めたころは、1日小さじ1、すりつぶした10倍がゆから始めて、慣れたら少しずつ量を増やします。おかゆの次にすりつぶした野菜、そして豆腐、白身魚、卵黄と徐々に食材も追加していきましょう。
すべての食材ではありませんが、初めて与える食材は小さじ1が基本です。午前中に食べさせるようにしてください。
始めて1か月以上経ったころ(後半)
食べることに赤ちゃんが慣れてきたら2回食を始めてみましょう。ただ、必ずしも後半で2回食にしないといけないわけではありません。回数や量を増やすことよりも、上手にごっくんをして食べられているかを優先してください。焦らず赤ちゃんのペースで進めていきましょう。
以下は1食分の目安量です。あくまで目安ですので、この通りにいかなくても大丈夫ですよ。
炭水化物
- 10倍がゆ 30~40g
- うどん 5~30g
- 食パン 5~10g
たんぱく質
- 豆腐 25g
- 白身魚 5~10g
- 卵 耳かき1杯~卵黄 2/3個
ビタミン・ミネラル
- 野菜 15~20g
- 果物 15~20g
食べさせ方のポイント
赤ちゃんが食べやすくするために、姿勢や、スプーンの運び方にも気を配りましょう。離乳食をどんな姿勢であげるのか、スプーンをどうやって口に運ぶのか、ポイントやコツをご紹介していきます。
どんな姿勢で食べさせるの?
お座りが安定していないのでママやパパの膝の上で抱っこをして座らせます。腕で赤ちゃんをしっかりと支えて食べさせてあげましょう。
どうやって食べさせるの?
赤ちゃんの下唇にスプーンの先をチョンチョンとあて、これから食べるよと赤ちゃんに合図を送りましょう。そして、スプーンのボールの部分を下唇にのせて赤ちゃんが口を開けて自分で取り込めるようにしてあげます。このとき、無理に押し込んだり、奥に入れすぎないように注意してください。
赤ちゃんが上唇を閉じたら、スプーンをまっすぐゆっくり引き抜きます。スプーンを引くときは上唇に擦り付けるようにして引き抜かないようにしましょう。
食べさせるペースが速いと丸飲みをしやすくなりますので、赤ちゃんの口の中のものがなくなったら次に進むように心がけてみてください。
離乳食を始めたころの進め方
おかゆは小さじ1から始めて、問題がなければ、少しずつ量を増やしていきます。下記は離乳食を始めてから1か月間の進め方の目安です。離乳食を進める時の参考にしてみてください。
1〜2日目 | 3〜4日目 | 5〜6日目 | 7〜10日目 | 11〜15日目 | 16〜25日目 | 26〜30日目 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
つぶしがゆ |
1さじ |
2さじ |
3さじ |
4さじ |
5さじ |
6さじ |
およそ30g |
野菜ペースト |
1さじ |
2さじ |
3さじ |
およそ15g |
|||
豆腐・白身魚 卵黄ペースト |
1さじ |
2さじ |
およそ5〜10g |
※1さじ=小さじ1
1日のおおまかなスケジュールは?
離乳食初期は1回食が基本です。前半は午前または午後の授乳時間のうち、1回を離乳食におきかえましょう。また、後半、1か月ほど経ち、食べることに慣れてきたと感じたら2回食を少しずつ試してみましょう。このとき、1回目の離乳食から4時間以上あけて2回目の離乳食を与えるようにします。
離乳食初期のタイムスケジュール例
-
6:00初期前半
母乳・ミルク
初期後半ー
-
10:00初期前半
離乳食
+母乳・ミルク初期後半離乳食
+母乳・ミルク -
14:00初期前半
母乳・ミルク
初期後半ー
-
18:00初期前半
母乳・ミルク
初期後半離乳食
+母乳・ミルク -
22:00初期前半
母乳・ミルク
初期後半ー
1回分の献立例
離乳食初期前半と後半の献立例をご紹介します。毎日の離乳食づくりの参考にしてみてください。
1.離乳初期(前半)献立例
【つぶしがゆ】
10倍がゆ:小さじ5程度
【野菜ペースト】
にんじんペースト:小さじ2程度
【たんぱく質が含まれる食材】
豆腐ペースト:小さじ1程度
※開始15日目ごろを想定して献立を組んでいます。こちらを目安に、お子さまの様子を見ながら、食べられるものを与えるようにしましょう。
2.離乳初期(後半)献立例
【うどん】
うどんペースト:5~30g
【ほうれん草ペースト】
ほうれん草ペースト:15~20g
【たんぱく質が含まれる食材】
白身魚ペースト:5~10g
※離乳食を始めて1か月以上経ったころを想定した献立になります。量はあくまで目安ですので、お子さまの様子を見ながら与えましょう。
離乳食に慣れることを目標にしましょう
ここまで、離乳初期(5~6か月)の離乳食の進め方についてご紹介しました。初期は赤ちゃんが離乳食に慣れることが目標です。スケジュールや目安の量はあくまで目安ですので、この通りにいかなくてもあまり心配しないでくださいね。食材の大きさやかたさなども赤ちゃんのペースにあわせて調整してみてください。
■監修の先生
山本 理江 先生
管理栄養士・フードコーディネーター。乳幼児健診での食事指導や離乳食~幼児食教室に携わる。食育講演、子育てに関する講演および料理教室なども行っている。
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