A.体調が悪い場合に無理に離乳食を進める必要はありません。食べられるものを食べるようにしましょう。
ご質問ありがとうございます。体調不良の時は食欲もないことが多く、離乳食をどうしたらいいか困ってしまうことも多いと思います。今回は、体調不良時の離乳食の考え方についてお話しします。
原則として体調不良の場合は、水分・塩分・糖分の摂取が大事になります。
亜鉛やビオチンといった微量元素と呼ばれるものは、中長期的にはとても大切な栄養素になりますが、短期的には摂取できなくても大きな問題にはなりません。
また体調が悪いときに無理に新しい食材にチャレンジなどをするとアレルギー症状が重篤化するリスクもあるので、初めての食材の摂取や卵、乳、小麦の増量は控えてください。
食欲がなくて、食事をとることが難しい場合は、塩分・糖分の含まれるOS-1やアクアライトなどの経口補水液などを摂取すると良いです。
食欲がある場合は離乳食の時期や体調不良の原因にもよりますが、原則として普段から食べているものであれば、食べても問題ありません。
ただし、揚げ物やジャンクフードなどは脂質が多すぎてしまい、お腹にかかる負担が大きいため控えましょう。炭水化物中心の食事は消化もしやすく、効率的に糖質エネルギーをとることができるのでおすすめ。具体的にはうどんやお粥が良いでしょう。
次に、症状別の離乳食の進め方についてお話します。
咽頭炎の場合
咽頭炎の場合はノドが痛くなるため、喉ごしの良い食材の方がしっかり食べられることが多いです。ゼリーやアイスクリームなどは子どもも好んで食べてくれます。
下痢や嘔吐の場合
下痢や嘔吐がひどい場合は、離乳食よりもしっかり水分を摂取するようにしましょう。
胃腸炎の場合は特に体内の塩分濃度や糖分が薄まってしまい、体調がより悪くなる傾向にあるため、経口補水液を使用しましょう。嘔吐が続いている場合はまず水分摂取を行い、3-4時間嘔吐がないようであれば炭水化物(うどんやお粥)などから再開すると良いです。
咳や鼻汁がでている場合
咳や鼻汁が多い場合も身体に水分が少なくなってくると、分泌物が乾いてしまい、身体の外に出しにくくなるため、こまめな水分摂取が大事です。
突然の体調不良は、とても不安になりますよね。お子さんの様子をよく観察して、無理なく離乳食を進めていきましょう。
■回答してくれたのはこの方■
濵野 翔 先生
杏林大学医学部卒。小児科医。アレルギーと呼吸器を専門とした小児科「ベスタこどもとアレルギーのクリニック」院長。
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