A.油脂・砂糖・果物・たんぱく質類の摂りすぎには注意。おかわりは薄味の主食を与えましょう。
離乳食は食べてくれないのも、食べ過ぎるのもママにとっては悩ましいところですよね。
おかわりをせがまれて、もう少しあげるのは構いません。あげるものに注意してください。
たんぱく質を含む主菜になるようなものを追加であげると食べ過ぎてしまいますので、あげるのであればエネルギー源となる主食になるものがいいでしょう。
ただ、味付けをしすぎてしまうと食べ過ぎるので、例えばおにぎりを作って焼きのりを巻いてあげたりするのがおすすめ。
毎回の食事で完食しおかわりをするのであれば、1回の食事量が足りていない場合もありますので、主食であるご飯の量を増やすタイミングなのかもしれません。
ただし、食事全体の味付け、食材の大きさ・かたさ、形状などほかの要因を確かめてから増やすようにしてください。
摂りすぎに注意すべき栄養素は?

離乳食で食べる量は月齢やその子によって違いますが、摂りすぎに注意したいものは“油脂、砂糖、果物、たんぱく質類”です。
食事でとる食品には、
- 主にたんぱく質を含む:肉、魚、卵、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品
- 主にビタミン・ミネラルを含む:野菜、果物、きのこ類、海藻類
- 主にエネルギー源を含む:穀類、いも類、油脂、砂糖
があり、どれも1日の食事でそれぞれの適切な量を摂ってほしいところ。
油脂、砂糖は大人と一緒で摂りすぎれば病気の原因のひとつにもなります。
果物は果糖の摂り過ぎにつながるので注意が必要です。
たんぱく質は大人もたくさん摂りましょう、と言われているから食べてもいいのでは?と思いがちですが、たんぱく質の摂りすぎは乳幼児にとっては
- 「内臓への負担」(たんぱく質の代謝に関わる肝臓や腎臓への負担)
- 「消化への負担」(消化不良になることがある)
- 「体重増加」(たんぱく質を含む食材によりカロリーの摂りすぎにつながる)
などが心配されます。
ただ、これは目安量を超えた量を食べていたとしてもすぐにそうなるというわけではありませんので、メニューによって摂りすぎてしまった場合はその食事の前後で調節すれば大丈夫です。
離乳食食べすぎの目安

体重が成長曲線を上にはみ出して肥満度が15%以上ある幼児の場合、普段食べている食事や生活について見直す必要があります。
・普段の食事で油脂・砂糖・果物など摂りすぎていないか
・味の濃いものをあげすぎていないか
・食事の時間が決まっているか
・身体を動かす時間を作っているか
原因はその子によって違いますので、それぞれに応じた対応をする必要があります。
離乳食を食べすぎる原因

離乳食を食べ過ぎる原因はいくつか考えられます。
味の濃さ
離乳食期にほとんど味のないものを食べていて、調味料を使い始めると食べがよくなることはよくあります。
それは決して悪いことではないのですが、食べ過ぎてしまうほどになると問題です。
よく聞くのは「最初はプレーンヨーグルトをあげてよく食べていたのですが、あるとき甘いヨーグルトをあげたらそれからはプレーンヨーグルトは食べなくなってしまった」「白米は食べないけど、ふりかけをかけたらたくさん食べる」などです。
調味料は食材がおいしくなるために必要ですが、使いすぎには注意しましょう。
離乳食の形状
離乳食の形状がその子に合っていないという場合があります。
例えば前歯が上下4本ずつ生えそろっていてある程度モグモグと食べられるようになってきた子なのに、食事の形状をママがお口の中に入るくらいに小さくカットしたものをあげるとどうなるでしょう?
その子は数回噛めば飲み込めてしまうのですぐに口の中からなくなってしまい、噛む回数が少ないと満腹感が得られないので結果食べ過ぎてしまう…という結果になります。
こういう場合は“かじり取り”の練習を始めるとよいでしょう。
離乳食のメニュー
食事の献立が、納豆・麺類・カレーなどご飯にかけて食べるものの場合も注意が必要。
納豆・カレーなどはご飯と混ぜることにより水分が多くなりごはんつぶの塊が離れ、口の中に入れるだけでサラッと飲み込みやすい状態になるのであまり噛まずに飲み込んでしまいます。
また麺類もチュルっと吸い込んで数回噛めば飲み込めます。これは子どもに限らず大人もそれほど噛まないものが多いです。これらも噛む回数が少ないことにより食べ過ぎてしまいます。
こういう場合は、その食事の中にほかで噛めるメニューを入れるとよいでしょう。
スープなどの汁物を付けてここに噛める食材を入れたり、麺類ならトッピングに工夫したり、食後のデザートにりんごなどをかじり取って食べられる大きさに切って食べさせる…などです。
「うちの子食べすぎかな?」と感じたら、普段の離乳食を少し見直してみるのもいいかもしれません。
■回答してくれたのはこの方■

山本 理江 先生
管理栄養士・フードコーディネーター。乳幼児健診での食事指導や離乳食~幼児食教室に携わる。食育講演、子育てに関する講演および料理教室なども行っている。
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