A.離乳食開始後1か月程度を目安に、まずはうどんやそうめんを少量ずつ。摂取後2時間以内に発症するじんましんや嘔吐に注意が必要。
ご質問ありがとうございます。小麦は味噌や醤油などの調味料、かまぼこ、クッキー、揚げ物、うどんなどさまざまな食品に含まれており、食物アレルギーの原因になりやすい食材です。
2021年の原因食材の調査では卵、牛乳、木の実に続き、第4位であり、10%弱を占めていました。保護者のみなさんも離乳食を開始するにあたり、小麦アレルギーではないかと心配になることもあるかと思います。
今回は離乳食の小麦の始め方をお話しようと思います。
小麦はいつから始められる?
実は離乳食として小麦を開始する時期にはっきりとした決まりはありません。離乳食を開始し、咀嚼や嚥下の様子を見ながら、始められるタイミングで始めていくと良いと思います。
1つの目安としては、離乳食開始後1か月程度が良いでしょう。
小麦製品何から与える?
最初の食材はうどんやそうめんが良いです。これはうどんやそうめんに含まれる小麦タンパクの量が少ないためです。
食物アレルギーは原因食材のタンパク量と出現する症状の強さにある程度の相関関係があります。
食パンに含まれている小麦タンパクの量は多く、うどん200gと6枚切り食パン1枚で同程度です。ですので、最初に試す小麦製品としては小麦タンパクの少ないうどんやそうめんが安全ということになります。
少量のうどんやそうめんから開始して、症状がなければ徐々に増やし、うどん30-50gを目処にパンがゆを始めると比較的安全に離乳食を進めることができると思います。
調味料に含まれる小麦ではほぼアレルギー症状は出現しません。大麦由来の麦茶などで症状が出現するお子さんはいますが、重症度の高いお子さんになるので、治療方針に関しては必ず医療機関に相談するようにしましょう。
注意すべきアレルギー症状は?
小麦アレルギーの症状はほかの食物アレルギーと同様で、食物を摂取して2時間以内に出現するじんましん、咳、嘔吐などになります。
咳や嘔吐が続く場合や全身にじんましんが出てきた際は、アナフィラキシーという重篤なアレルギー症状の場合がありますので、なるべく早めに医療機関を受診するようにしてください。
顔に少しのじんましんが出る程度の場合は一旦様子を見て大丈夫ですが、時間経過とともにじんましんが全身に広がる場合があるので、慎重に経過をみてください。
また、じんましんが出現した後にお風呂に入ると血行が良くなり、症状が増悪してしまう場合があるので、当日の入浴は控えましょう。
■回答してくれたのはこの方■
濵野 翔 先生
杏林大学医学部卒。小児科医。アレルギーと呼吸器を専門とした小児科「ベスタこどもとアレルギーのクリニック」院長。
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