Q.ミルクの吐き戻し(溢乳【いつにゅう】)の原因と予防・対策は?

今回のご相談
生後3か月の赤ちゃんがいます。授乳のあと、よくミルクを吐き戻すのですが、そもそも吐き戻しはなぜ起きるのでしょうか?予防法はありますか?

A.赤ちゃんの胃は飲んだものが逆流しやすい形状をしています。お子さんに合った乳首や正しい授乳姿勢を心がけましょう。

ご相談ありがとうございます。今回は、ミルクの吐き戻し(溢乳【いつにゅう】)の原因と予防法についてお話しようと思います。

どうして溢乳(いつにゅう)が起こるのか?

赤ちゃんの胃の形は大人とは違います。

大人の胃は食べたものが逆流しないように、食道から繋がる噴門部が筋肉で閉じるように細くなっており湾曲しています。

対して赤ちゃんの胃は筋力がまだ弱いので閉じが甘く、また湾曲もしておらずまっすぐなので、飲んだ母乳やミルクが逆流しやすいのです。

また、哺乳瓶やカップで授乳する場合には、一緒に空気を飲み込みやすいので、ゲップと一緒にミルクや母乳が上がってきてしまうことがあります。

溢乳を予防するために

授乳前

お腹が空いていて激しく泣いている場合に、空気をたくさん飲み込んでしまうお子さんもいます。その場合は、母乳は哺乳瓶に関係なく、授乳前から空気がお腹に入ってしまっているので、まずは縦抱きであやして、赤ちゃんの泣きが落ち着いてから授乳をしましょう。

哺乳瓶の場合、乳首の大きさや形が赤ちゃんの口の大きさにあっているか、また哺乳瓶の乳首のミルクの出る穴の大きさが赤ちゃんの飲むペースにあっているか気にかけてあげてください。

哺乳瓶での授乳中にむせてしまう場合は、乳首の大きさや穴の大きさがお子さんにあっていないかもしれません。乳首を赤ちゃんの口にあっているものにするだけで空気を飲み込むことが減り、吐き戻しも減るかもしれません。

授乳を始めるとき

母乳の場合は、乳輪が見えなくなるくらい深くくわえられているか確認しましょう。

哺乳瓶の場合は乳首がキャップ近くまで深くくわえられており、乳首の部分はミルクや搾母乳で満たされているかを確認しましょう。

特に哺乳瓶の場合は、哺乳瓶の傾け方が浅いと乳首の部分に空気が入ってしまい、ミルクと一緒に空気を飲み込んでしまうことになります。

カップで飲む場合には、カップのふちギリギリまで満たし、赤ちゃんがすすり飲むようにします。決して赤ちゃんの口に大人が流し込むことはしないようにしましょう。

授乳中

お忙しかったり大変だったりするのは分かりますが、哺乳瓶での授乳のときはクッションやタオルで哺乳瓶を支えるのではなく、大人がしっかり哺乳瓶を持って赤ちゃんの様子を見ながら飲ませてあげていただきたいです。

哺乳瓶で飲んでいる最中に、まだ必要量の半分も飲めていないのにお腹がパンパンに苦しそうな場合は、授乳中でも途中でゲップをさせたり、一度哺乳瓶を赤ちゃんの口から離して、ひと呼吸置いてから授乳を再開するなどして飲む勢いを調整してあげるのもひとつです。

授乳後

哺乳瓶やカップで授乳した場合には5分ほど、ゲップが出るのを待ってから寝かせてあげましょう。ゲップが出なかった場合には、横向きに寝かせてあげると良いでしょう。

生まれたばかりの赤ちゃんは繊細で、少しのことで不安になるお母さんのお気持ちはよくわかります。

誰でも最初は手探り状態なので、不安なときは病院や助産院の助産師、保健センターの保健師、もしくは先輩ママさんなど誰かに相談してみてくださいね。


■回答してくれたのはこの方■

落合 このみ おちあい このみ 先生

出張助産師として開業。世田谷区を中心に自宅へ訪問、もしくはオンラインにて、妊活・妊娠中・子育て相談など、さまざまな女性の悩みに寄り添っている。また、保育園での看護師勤務を経て国際モンテッソーリ教師としても働いている。


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