A.普段から食べ慣れているものを与えるのがベスト。レストランは食品表示が義務化されていないので注意が必要です。
6か月を過ぎると、体力もついてきますし、ワクチンも接種しているものが増え、少し長めの時間のおでかけを楽しめるようになります。
お昼を外で食べる機会もでてくると思うので、今回は外出先での食事の注意点などをお話ししようと思います。
離乳食期の赤ちゃんが外で食事をとる場合、いくつかの方法があります。
1.授乳
1つ目は母乳やミルクを与えるケースです。最近は授乳スペースも増えてきましたが、まだ十分とは言えず、スペースの確保が難点になると思います。
普段、人工乳(ミルク)を摂取していないお子さんの場合は、乳蛋白によるアレルギー症状が出現する可能性があるため、必ず平日の日中にミルクを試してから持っていくようにしましょう。
液体ミルクは白湯も必要なく、外出先でそのまま使用できるためおすすめです。こちらも、常温ミルクを好まない赤ちゃんもいるため、お家で試してから外出先に持っていくとよいと思います。
2.手作りした離乳食を持参
最もおすすめな方法は自宅から離乳食を作って持っていくことです。使用している食材も把握できますし、普段から慣れている食事なので、赤ちゃんも食べやすいと思います。
ただし、夏の暑い時期は食材が悪くなりやすいので持ち運びには気を付けてください。
3.ベビーフードを活用
次にパックの離乳食(ベビーフード)などを使用する方法です。用意も簡単ですし、食品表示がなされている点も安心です。
雑菌の混入がないので、常温でも問題なく使用できますが、赤ちゃんがレトルトに慣れていないと食べてくれない場合があります。
お家で食べてくれるか試してから外食に持っていくと良いかもしれません。
4.レストランなどで外食
最後は離乳食が用意されているお店で外食をすることです。
外食時はまず特定原材料等の食品表示があるかどうかを確認し、もし表示があれば、お子さんのアレルギーとなる食材が含まれているかどうかを確認してください。
ただし、レストランや路面店では食品表示が義務化されていないことに注意が必要です。
外食時の食品表示に関してはあくまでお店側のサービスでなされているため、表示があっても普段見慣れている表示と異なることも少なくありません。
お店側も食品表示に慣れていない場合があり、普段のパッケージされている食品ほど表示が正確でない可能性もあります。
また調理場が同一であることも多く、意図せずに他の食材が混入してしまっている場合もあります。
このように外食では食品表示があっても、確実ではないということを念頭に、万が一、アレルギー症状が出現した場合に備えて抗ヒスタミン薬などの薬は普段から持っておくようにすることが好ましいと思います。
ただし、この点に関してはお子さんの食物アレルギーの重症度によっても異なるので主治医の先生と相談するようにしましょう。
食物アレルギーのあるお子さんは、手作りやいつも使用しているレトルト食品の方が安心だと思います。事前にお店に連絡しておくと持ち込みもスムーズですよ。
事前の準備を万全に整えて、お子さまとのおでかけを楽しみましょう。
■回答してくれたのはこの方■
濵野 翔 先生
杏林大学医学部卒。小児科医。アレルギーと呼吸器を専門とした小児科「ベスタこどもとアレルギーのクリニック」院長。
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