Q.加工食品の食品表示の見方について教えてください。

今回のご相談
牛乳アレルギーの子どもがいます。離乳食完了期になり、コンソメを使おうとしたら実は乳成分が入っていてびっくり。今までとは違って、見た目には分からない食材が入っていると知り、少し怖くなってしまいました。パッケージの裏面の説明を読んでも「これって結局食べさせてもいいの?」と疑問に感じることも…。商品の食品表示の正しい見方を教えてください。

A.調味料や加工食品には思いもよらない原材料を使用している場合が。必ず食品表示を確認しましょう。

ご質問ありがとうございます。乳児期に使用する調味料には味噌、醤油、コンソメ、トマトケチャップなどがあります。

コンソメは乳や小麦を含有する場合がありますが、調味料や加工食品には意外な食材が使用されていることがあり、アレルギー症状が出現してから気づくことも少なくありません

例えばコーンスープの植物油脂では大豆油を使っている場合がありますし、乳化剤で大豆由来の植物レシチンが使用されることもあります。

含まれている原材料の含有量や種類によっては重篤なアレルギー症状が出現してしまうこともありますので、そのようなことにならないために、食品が何を原材料にしているかを記載している食品表示を確認するようにしましょう

食品表示の見方には少しコツがいるので、今回は食品表示の見方について解説します。

原材料の多い順番に記載される

まずどういった原材料が食品表示により表示されているかですが、食品表示法では数μg/gまたは数µg/mL以上の蛋白量が含まれている場合にその原材料を表示することになっており、含有量の多いものから順番に記載されます。

特定原材料は表示が義務化

特定原材料といって特にアレルギーを起こしやすい食材であるえび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)は表示する義務が法律で定められています。

しかし、個包装や容器包装せずに販売する食品(量り売りなど)、外食では現在のところ表示義務がないため、注意が必要です。

また特定原材料の8品目のみを表示する場合と、特定原材料に準ずる食材も含めた28品目を表示する場合があります。

8品目のみの表示を採用している場合では、その他の品目を含有していても表示していないことがあるので、必ずどちらの表示法を採用しているかも確認するようにしてください

また特定原材料などでは、原材料欄の最後に「(一部に〇〇・〇〇を含む)」と表示する一覧表示という記載方法が取られている場合もありますので、表示欄は必ず最後まで目を通すようにしてください。

コンタミネーションの表示について

特定原材料等を使用しない場合であっても、製造工程の過程で混入する可能性が否定できない場合は「本品製造工場では〇〇を含む製品を生産しています」などの注意喚起表示がなされる場合があります。

この混入(コンタミネーションともいいます)は、ほとんどのお子さんで問題にならない程度の含有量になりますが、重篤なアレルギーを有するお子さんでは避けた方がいい場合もありますので、注意喚起表示がされている食品まで除去が必要かどうかついては、主治医の先生と相談するようにしてください。

食品表示を正しく読んで、これからの食生活を安心安全に進めていきましょう。


■回答してくれたのはこの方■

濵野 翔 はまの しょう 先生

杏林大学医学部卒。小児科医。アレルギーと呼吸器を専門とした小児科「ベスタこどもとアレルギーのクリニック」院長。


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