A.卒乳のタイミングにより、方法はさまざま。まずはお子さまが離乳食を月齢の目安量食べているかを確認しましょう。
最近では「断乳」という言葉を使わなくなってきており、「卒乳」という言い方に変わってきています。
その中でママの意思でやめることを“計画的卒乳”、子どもの意思でやめることを“自然卒乳”と区別することもあります。
また、卒乳というと母乳の子どもだけの話だと思いがちですが、実際には“飲み方”の卒乳であり、ミルクの子どもも哺乳瓶をやめることにもあたります。
つまり、卒乳とは、母乳や哺乳瓶で飲む哺乳運動で飲む飲み方から、コップやストローなどで飲む飲み方に移行することなのです。
ここでは質問にある“計画的卒乳”について回答します。
離乳食をどのくらい食べていたら授乳減らしてよい?
時期や元々お子さまによって食べる量が違うので、具体的な数字では表しにくいのですが、その月齢期で示されている目安量が食べられていたら、次の段階に行くにあたりあらかじめ母乳・ミルクの量を減らす方法もありますし、離乳食を食べた後の母乳・ミルクを減らす方法もあります。
1歳以降は間食に置き換え
卒乳を始める時期が1歳以降であれば、3回食を食べてその間にお腹がすきそうなタイミングで母乳・ミルクから軽食やおやつに置き換えてみる方法もよいと思います。
1歳半以降は子どもと一緒に卒乳へのステップを
また1歳半以降で少しお話が分かる時期になってきたら、卒乳までの時期を子どもと共有するという方法もあります。
母乳を段階的に卒乳していくのには、まずは昼間の授乳を減らしていくのがおすすめです。
3回食とおやつが食べられるようになってきておっぱいが欲しくなるのは、ぐずったときと寝る前が多いと思います。
ぐずったときは一緒に遊んだり、気分転換に外に出る、眠たいときにはおんぶや抱っこで寝かすなど授乳以外の方法を見つけられるとよいと思います。
注意したいのは、このぐずったときをお菓子などでごまかすとのちのちクセになるので避けた方がよいと思います。
「卒乳」とは与えるものを母乳から乳製品にシフトすること
もうひとつ大事な点は、「卒乳」とは、「母乳やミルクを与えなくて良くなること」ではありません。
母乳は卒乳したら与えなくはなりますが、その代わりにミルク・牛乳を与えていくことになります。
卒乳する時期が1歳前だった場合、月齢にあわせたミルクを哺乳瓶(できるようになったらコップやストローに移行)で飲むようにします。
1歳を過ぎていれば牛乳が飲めるようになるので、牛乳かミルクで飲める方を300ml前後与えます。そしてミルクの場合は徐々に牛乳に変えていきましょう。
生まれてから離乳期までは母乳・ミルクが主な食事になりますが、卒乳したらミルク・牛乳はカルシウムやたんぱく質などを補給できる“牛乳・乳製品”という食品として摂取するようになります。
ですので、牛乳だけでなく、ヨーグルト・チーズなどで摂っても大丈夫です。
母乳・ミルクから牛乳・乳製品に変わっていきますが、一生を通じて必要な食品であるので、時期に合わせた摂り方ができるとよいですね。
■回答してくれたのはこの方■
山本 理江 先生
管理栄養士・フードコーディネーター。乳幼児健診での食事指導や離乳食~幼児食教室に携わる。食育講演、子育てに関する講演および料理教室なども行っている。
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