A. 大事なポイントは20分以上ゆでた固ゆでの卵黄から始めること。卵黄、卵白とも耳かき1さじから始めて
ご質問ありがとうございます。乳幼児の食物アレルギーの原因では卵が最も多いため、離乳食を開始するにあたって、ご心配になる保護者の方も多いと思います。
卵では即時型食物アレルギー(食物を摂取して2時間以内に症状がでる)が一般的です。卵の即時型食物アレルギーではほとんどの場合、卵白が原因ですので卵黄で反応してしまうお子さんはとても少ないです。
また加熱することで抗原性(アレルギーの出やすさ)がとても少なくなる食材です。最も大事な点は、最初に20分以上ゆでた固ゆで卵黄から始めることです。
卵白のタンパク質が卵黄側に浸透してしまうことがあるため、ゆでた後はすぐに卵白と卵黄に分けて使用してください。
卵黄がある程度摂取できれば(1個が好ましいですが、この時期は1個食べられない子も多いので1/2個でもOKです)卵白の摂取を進めますが、卵白も少量から開始するようにしてください。
卵黄、卵白ともに0.5g程度または耳かき1さじ程度から始めると良いでしょう。
卵ボーロに関しては、小麦が含まれている関係で、加熱による抗原性(アレルギーの出やすさ)の低下に乏しいため、最初に摂取する食品としてはおすすめしません。
卵黄を摂取してしばらくしてから症状の出る消化管アレルギーに注意を
最近、卵黄による消化管アレルギー(食物蛋白誘発胃腸症/FPIES)というアレルギーの方が増えています。このアレルギーは原因食品(多くは卵黄や乳製品)を摂取して1~4時間ほどしてから嘔吐を繰り返すことを特徴としています。
ほかの症状としては下痢や血便を伴うことがありますが、咳やじんま疹がでることはありません。卵を食べてしばらくしてから症状が出るため、アレルギー症状として認識されないこともあり、注意が必要です。心配な場合はかかりつけの小児科の先生に相談するようにしましょう。
■回答してくれたのはこの方■
濵野 翔 先生
杏林大学医学部卒。小児科医。アレルギーと呼吸器を専門とした小児科「ベスタこどもとアレルギーのクリニック」院長。
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