離乳食のアレルギー反応とは?出やすい食材や症状を詳しく解説

今まで母乳やミルクしか口にしていなかった赤ちゃんが初めて口にする離乳食。いろいろ心配はあるけれど、そのなかでも最近よく聞くアレルギーについて気になっている方、多いんじゃないでしょうか。

「うちの子、食物アレルギーだったらどうしよう」「そもそもどんな症状が出るの?出たらどうしたらいいの?」と不安に思う気持ち、よく分かります。

たしかに、食物アレルギーについて配慮することは、離乳食を進めるにあたってとても重要です。しかし、あまり神経質になりすぎないでください。

赤ちゃんは、離乳食を通じてさまざまな食材と出会い、おいしく楽しく「食べるよろこび」を知っていきます。

そこで、ママパパがアレルギーを気にしすぎてピリピリした雰囲気で食事をしていると、その気持ちを敏感に感じとった赤ちゃんが、離乳食自体を楽しめなくなってしまうかも。

大切なのは食物アレルギーに関する正しい知識と適切な食べ方を知ることです。

ここでは、おおらかな気持ちで離乳食を進められるよう、食物アレルギーについて理解を深めていきましょう。

離乳食による食物アレルギーって何?

そもそも、食物アレルギーとはどのようなしくみで起こるのでしょうか?

「免疫」機能が特定の食材に過剰に反応してしまう

食物アレルギーとは、簡単にいうと、わたしたちの体を守る「免疫」機能が、特定の食べ物を異物だと勘違いして過剰に反応してしまった結果、体にさまざまな不調が出てしまうことです。

「免疫」とはもともと、体に害のあるものを敵とみなし、排除する働きのこと。

通常は栄養素(=味方)として消化されていくべき食べ物が、誤った判断で敵と間違えられてしまい、結果アレルギー症状が引き起こされてしまいます。

免疫が弱いから食物アレルギーになりやすい、というわけではないんです。

これだけ聞くと思わず身構えてしまいますが、乳幼児期の食物アレルギーは、成長とともに改善し、そのほとんどが小学校入学までに治るともいわれています。原因も含めて、まだ分からないことも多い症状なんです。

どんな食品がアレルギーの原因になるの?

多いのは卵・牛乳・小麦のアレルギー

食物アレルギーを発症しやすい食材として、特定原材料に指定されている食材があります。えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)の8品目です。

なかでも0歳児の食物アレルギーの原因となる食材としては「卵」が最も多く、牛乳、小麦の3つで95%を占めています

比較的離乳食としてあげやすい食材で驚いてしまうかもしれません。ですが、食物アレルギーは、あくまでこれらの食材が体質的にアレルギーを起こしやすい赤ちゃんの体内に入ってしまったときに反応してしまうもの。あまり過敏になりすぎないよう、少しずつ離乳食を進めていきましょう。

初めての食材はすぐ受診できる時間に少量ずつから

「それでも初めて口にする食材はやっぱりこわい。何かあったらどうしよう・・」
もしもに備えて、初めての食材を与えるときは以下の点に注意して行いましょう。

初めての食材は少量を1種類ずつ

新しい食材を一度にあれもこれもとあげてしまうと、アレルギー症状が出たときに、どの食材が原因だったのか分からなくなってしまいます。

1種類ずつ、1日目にごく少量を与え、そこから徐々に増やしていき、3~4日連続であげて何も症状が出なければ次の食材にチャレンジしてみる。そのくらいのゆっくりとしたペースで進めてみてもいいかもしれません。

時間帯は平日の午前中に

万が一赤ちゃんにアレルギー症状が出た場合、すぐにかかりつけ医に受診できるよう、初めての食材をあげるのは、病院の開いている平日の午前中がベスト

また、できるならママひとりのときでなく、パパや家族などが一緒に家にいられるタイミングだとより安心できますね。

赤ちゃんの体調は日々変化するもの。そもそも、風邪ぎみだったり、朝から機嫌が悪いなと感じたときには、無理をせず別の日にトライしてみましょう。

離乳食で食物アレルギーの症状が出たらどうすればいい?

ひとくちに食物アレルギーと言っても、その症状は多岐にわたります。

離乳食によるアレルギーの症状
・皮膚のかゆみやじんましん
・咳やゼーゼーする呼吸困難
・目、唇、口の中などのかゆみや腫れ
・くしゃみ、鼻水、鼻づまりなど
・腹痛や嘔吐、下痢などの消化器症状
 など

しかし、実際に赤ちゃんが食物アレルギーを発症しているか見極めるのはなかなか難しいもの。自己判断をせずに、ちょっとでも気になる症状があったらすぐに医師の診断を受けてください。

食物アレルギーを正しく知って、上手につきあいましょう

ここでは、食物アレルギーの基本的な情報をお伝えしました。この問題は、乳幼児だけでなく、大人になってからも向き合っていかなくてはならない場合も。

だからこそ、ずっとおびえながら食べていくのではなく、正しい予備知識といざというときの準備を怠らず、おおらかに構えて楽しい食生活を過ごしていけるといいですよね。

食物アレルギーに関しては、教えて先生のQ&Aコーナーでも、専門家の先生に詳しく解説してもらっています。よかったらそちらもチェックしてみてくださいね。


■監修の先生■

濵野 翔 はまの しょう 先生

杏林大学医学部卒。小児科医。アレルギーと呼吸器を専門とした小児科「ベスタこどもとアレルギーのクリニック」院長。


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