離乳初期は栄養のほとんどを母乳やミルクから取れるので、栄養バランスをあまり気にしなくてもOKです。
2回食が始まる中期ごろからは食べられる食材が増え、赤ちゃんも食べることに慣れてきます。そのころからは栄養バランスについても考えていきましょう。
栄養バランスのいい献立を考えるときに役立つポイントをいくつかご紹介していきます。
離乳食に大切な3グループの栄養素
まず離乳食を作る時に意識したいのが「炭水化物」「たんぱく質」「ビタミン・ミネラル」の3つの栄養素です。
この3つのグループからそれぞれ1つ以上の食品を組み合わせれば、自然に栄養バランスが整います。
2〜3日でバランスがとれていればOK!
理想は毎食バランスよくですが、2〜3日のトータルでバランスがとれていたら大丈夫!朝、野菜が少なかったら昼や夜に野菜を多めにしたりと赤ちゃんにあわせてご自身で調整してOKです。
2回食になって今まで食べていた食材も急に食べなくなったり、遊び始めたりと赤ちゃんによっていろいろですよね。ママパパも少し疲れがでてくるころかもしれません。
うまくいかなかったからといってあまり神経質になりすぎず、「次の食事で食べてくれればいいか!」という気持ちで進めましょう。
たんぱく質の食材を献立にプラスしましょう
離乳初期は母乳やミルクで十分なたんぱく質を摂取することができますが、離乳中期ごろからは食事からもたんぱく質を積極的に摂取していきましょう。
食材ごとの目安量を参考にしながら献立を考えてみてください。ただ、あくまで目安量ですので、赤ちゃんの様子を見ながら、成長に合わせて進めていきましょう。
赤ちゃんの成長にかかせない栄養素ですが、消化がしにくく赤ちゃんの体には負担が大きいので、とりすぎには気を付けてください。たんぱく質を多めにとりすぎたなと思ったら、次の食事で減らすなどご自身で調整してもOKです。
中期ごろからは食べられるたんぱく質の食材もぐっと増えますので、赤ちゃんの様子をみながらぜひ色々な食材を試してみてください。
7〜8ヶ月ごろ(中期) | 9〜11ヶ月ごろ(後期) | 12〜18ヶ月ごろ(完了期) | |
---|---|---|---|
魚・肉 | 10~15g | 15g | 15~20g |
豆腐 | 30~40g | 45g | 50~55g |
卵 | 卵黄1~全卵1/3 | 全卵1/2 | 全卵1/2~2/3 |
乳製品 | 50~70g | 80g | 100g |
※1食分の目安量になります。
後期以降 鉄分、カルシウムを積極的に取り入れて
離乳食が進んだ後期以降、離乳食にぜひ取り入れてほしい栄養素があります。鉄分とカルシウムです。どちらも赤ちゃんにとって必要な栄養素ですが、どうして必要なのか、どんな食材があるのか確認していきましょう。
離乳食期に不足しやすい鉄分
赤ちゃんは生まれたときには体の中に鉄を蓄えているのですが、離乳食が始まる5か月~6か月ごろになると体にためていた鉄がなくなってしまいます。
そのため、離乳食で鉄を補給する必要があります。赤ちゃんが貧血にならないように後期以降は鉄分豊富な食品もぜひ取り入れてみてください。
赤ちゃんの成長を助けるカルシウム
カルシウムは骨や歯をつくるのに欠かせない栄養素。
赤ちゃんは体の発達が著しいのでたくさんのカルシウムが必要です。こちらも意識して献立に取り入れていきましょう。
ビタミンDもあわせて摂取すると◎
カルシウムと一緒にカルシウムの吸収を促すビタミンDをとるのもおすすめです。ビタミンDは適度な日光浴をすることで体内で作られる栄養素としても知られており、食品としては卵黄、しらす、鮭、干ししいたけなどに豊富に含まれています。
適度な日光浴とあわせて、カルシウム、ビタミンDを含む食品を毎日の献立にプラスしてみてください。
必要な栄養素のポイントをしっかりおさえましょう
赤ちゃんに必要な栄養バランスについて、おさえてほしい栄養素をご紹介しました。離乳初期は栄養のほとんどを母乳やミルクからとっていましたが、離乳中期以降からは、栄養の30~40%ほどを食事からとることになります。
とはいっても、赤ちゃんによって進み具合はさまざまですので、あまり神経質になりすぎないでくださいね。中期以降、必要な栄養素のポイントはしっかりおさえて、日々の離乳食づくりに役立ててみてください。
■監修の先生
濵野 翔 先生
杏林大学医学部卒。小児科医。アレルギーと呼吸器を専門とした小児科「ベスタこどもとアレルギーのクリニック」院長。
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