A. しっかりと加熱し、すりつぶしたものを少量から。エビにアレルギーのある人はカニなどにもアレルギーがある心配も。
ご質問ありがとうございます。令和3年度の消費者庁の調査でエビやカニが含まれる甲殻類のアレルギーは全体の3.3%を占め、8番目に多い原因食品でした。
また甲殻類はアナフィラキシーを起こしやすい食品としても知られていて、エビにアレルギーがあるお子さんの約10%でアナフィラキシーが誘発されたとする報告もあります。
今回はエビやカニなどの甲殻類アレルギーと離乳食での始め方についてお話します。
甲殻類アレルギーとは?タイプは大きく2種類
甲殻類のアレルギーは乳児期や幼児期早期の小さいころに発症するタイプと小学校入学以降に発症するタイプと大きく2種類に分かれます。
小さいころに発症するタイプ
少量でもアナフィラキシーを起こすことがありますが、比較的治りやすい。
小学校入学以降に発症するタイプ
治りにくく、少量摂取では口の中がイガイガするなどの軽い症状が出現し、大量に摂取するとアナフィラキシーとなってしまうケースが多い。
食べ始める前にスクリーニング検査した方がいい?
甲殻類はアナフィラキシーとなってしまうことが多いため、初めてエビやカニを食べる前に血液検査を行い、アレルギーの有無を調べたくなりますよね。
ですが、甲殻類の特異的IgE検査は診断精度が低めであることが知られており、基本的には摂取前のスクリーニング検査はおすすめできません。
ただし、ほかの食品で重篤なアナフィラキシーの既往があるお子さんなど、前もって検査を行う場合もありますので、詳しくは主治医の先生にご相談ください。
また、エビの種類や調理方法で抗原性(アレルギー症状の出やすさ)が変わることはないとされています。
エビ・カニいつから始める?注意点は?
したがって、エビの始めかたとしては離乳後期や完了期ごろから、どのエビでもいいのでしっかり加熱し、すりつぶした上で少量から摂取しましょうということになります。
ただし、エビには含有される塩分が多いため、食べすぎには注意してください(乳児期の1日の塩分摂取の目安量は1.5g程度です)。
またエビにアレルギーがある人の65%ではカニにもアレルギーがあり、軟体類(タコ・イカ)や貝類にも反応する人が20%程度いるとされています。
エビのアレルギーかもと思った場合はかかりつけの先生に相談するようにしてください。
■回答してくれたのはこの方■
濵野 翔 先生
杏林大学医学部卒。小児科医。アレルギーと呼吸器を専門とした小児科「ベスタこどもとアレルギーのクリニック」院長。
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