Q.子どもの虫刺されについて。薬は?皮膚科に行くべき?予防法も知りたい!

今回のご相談
2歳の子どもがいます。外遊びをしていると、よく腕や足などを虫に刺されます。かゆがってかきむしったりすることも多く、傷ついたり腫れたり、ときには膿が出たりすることも…。どの程度ひどくなったら病院を受診したらいいでしょうか?また、家でできる虫刺されを悪化させないケア方法や虫よけ方法はありますか?

A.虫に刺されたら、患部を清潔にし冷却するのが◎。市販のかゆみ止めで対処可能ですが、とびひなどの症状がみられる場合は病院を受診しましょう。

ご質問ありがとうございます。お子さまの虫刺されに関して、家庭でできるケア方法を紹介します。

家庭でできる虫刺されの応急処置とケア

1.刺された部分を洗浄・冷却する

患部を水でやさしく洗い流し、清潔にします。その後、冷たいタオルや保冷剤で冷やすと腫れやかゆみが和らぎます。

2.市販のかゆみ止めを塗る

赤みやかゆみが強い場合は、抗ヒスタミン成分や低濃度ステロイドを含む市販の虫刺され用クリームを塗ってかゆみを抑えましょう。かゆみが軽減すれば掻き壊しを防ぐことにもつながります。

3.掻かせない工夫

子どもはかゆいとどうしても掻いてしまいます。爪を短く切っておく、薬を塗った後はガーゼや絆創膏で覆うなどして掻きむしりを防ぎます。

掻き壊して皮膚に傷がつくと、そこから細菌感染して「とびひ」(伝染性膿痂疹)に発展する恐れがあります。まずはしっかりかゆみを抑えてあげることが大切です。

病院を受診する目安は?

ほとんどの虫刺されは家庭でのケアで自然に治癒します。実際、子どもの虫刺されによる腫れや赤みも1週間程度で自然に治ることがほとんどです。

しかし、次のような場合は小児科や皮膚科を受診しましょう。

症状が強い・悪化している場合

赤みや腫れがどんどん広がる、膿が出てジュクジュクしている、刺された部分が熱をもって痛がる、発熱を伴う、といった場合は早めに医療機関で診てもらってください。

細菌感染やアレルギー反応が疑われることもあります。

危険な虫に刺された場合

ハチに刺された場合や、マダニが皮膚に食いついて離れない場合は、基本的に早めの受診が勧められます。

ハチ刺されでは初回は軽くても、2回目以降にアレルギー反応が強く出ることがあります。

マダニの場合、無理に引き剥がすと口器が皮膚に残ってしまうことがあるため、医療機関で適切に除去してもらう方が安全です。

全身症状がある場合

刺された部位以外にも全身にじんましんが出ている、顔色が悪い、息苦しさや喉の腫れを訴える、嘔吐やめまいがあるなどの症状が見られたら、アナフィラキシー(重度のアレルギー反応)の可能性があります。

この場合は迷わず119番で救急車を呼び、緊急処置を受けてください。特にハチに刺された直後やクラゲに刺された後は、数分~15分程度でショック症状が出ることもあります。

こんな虫に要注意!刺した虫の種類による症状と対処法

虫刺されと言っても、刺した生き物の種類によって症状や対処法に違いがあります。代表的なものについて確認しておきましょう。

蚊(か)

蚊に刺されるとかゆみと膨らみ(膨疹)が生じます。これは蚊の唾液に対するアレルギー反応で起こります。子どもは大人より反応が強く、大きく腫れやすい傾向があります。

しかし多くの場合、7~10日ほどで自然に治るので様子を見て大丈夫です。ケアは前述のように冷やす・薬を塗るでOKです。強いかゆみには抗ヒスタミンやステロイド軟膏を使い、掻き壊しに注意します。

もし掻いてしまい、とびひになった場合は医療機関を受診してください。

ダニ・マダニ

ダニにも種類がありますが、屋外のマダニに噛まれた場合が厄介です。

マダニは山林や草むらに生息し、人の皮膚に張り付いて数日~十日かけて吸血します。刺されても痛みがないため、吸血してマダニの体が膨らんでから気づくことが多いです。

万一マダニが皮膚に食いついていたら、無理に引っぱらないでください。口先を皮膚に埋め込んでいるため、引きちぎると口の部分が皮膚内に残って炎症や感染の原因になります。取れたか確認できない場合や取れない場合は無理せず医療機関で処置してもらいましょう。

また、マダニに刺された後1~2週間以内に高熱や発疹など体調不良が出た場合は、速やかに受診し「マダニに刺された可能性がある」ことを伝えてください。日本ではマダニから重症熱性血小板減少症候群(SFTS)や日本紅斑熱などの感染症がうつることがありますが、過度に心配しすぎず、まずは適切に除去・経過観察することが大切です。

毛虫

公園の樹木で毛虫に触れてしまうことがあります。

毛虫の中には、体表に毒針毛という微細な毒毛を持つ種類が多くいます。この毛に触れると皮膚に刺さり、毛虫皮膚炎と呼ばれるブツブツした発疹やヒリヒリとした炎症を起こします。直接触っていなくても、毛が風に飛んできて皮膚についてしまうだけで発疹が出る場合もあります。

症状としては、触れた部分がチクチクする違和感から始まり、しばらく経つと赤く腫れて強いかゆみが出ることがあります。

対処としては、できるだけ早く皮膚に残った毛を取り除くことが重要です。セロハンテープやガムテープの粘着面を患部にペタペタと貼っては剥がす動作を繰り返し、見えない毒毛を抜き取ります。その後、石鹸を泡立てて洗ったり強めの流水で十分に洗い流してください。

患部をこすると却って毛が刺さるので避けましょう。冷やすとともに、赤みやかゆみが強い場合はステロイド軟膏を塗ったり抗ヒスタミンの内服薬で炎症と痒みを抑えます。症状が強い場合は皮膚科を受診してください。

クラゲ

海水浴シーズンにはクラゲにも注意が必要です。

クラゲに刺されると電気が走るような激しい痛みとミミズ腫れ状の発赤が生じます。刺されたらまず速やかに海から上がりましょう。痛みが軽くても、しばらくして急にアナフィラキシー症状(全身のじんましん、呼吸困難、血圧低下など)が出て溺れる危険があるためです。

応急処置としては、皮膚にクラゲの触手が残っていれば慎重に取り除くこと。できれば手袋をした手かピンセットでそっと摘み取ります。触手が絡まって取れない場合は、海水で患部を洗い流してください。このとき、真水(真水のシャワー)は使わないでください。浸透圧の変化で未発射の刺胞が一斉に毒針を発射し、症状が悪化する恐れがあります。

広範囲に刺された場合や激しい痛みが続く場合は医療機関での処置を受けましょう。「触手を全部取り除いたのにまだ痛がる」「刺された周囲以外にも発疹が出てきた」といった場合も迷わず受診してください。

家庭でできる虫刺され予防のポイント

虫刺されを防ぐには、日頃から次のポイントに気をつけてみましょう。

服装で肌を守る

子どもは体温が高く汗っかきなので虫に狙われやすいです。虫の多い場所へ行くときは、なるべく長袖・長ズボンを着せて肌の露出を減らします。帽子や首元を覆うスカーフも有効です。

虫除け剤(忌避剤)の活用

衣類でカバーしきれない部分は市販の虫よけスプレーや虫よけクリームを上手に使いましょう。

日本で利用可能な有効成分は主にディート(DEET)とイカリジンの2種類です。

ディートは広範囲の虫に効果がありますが、年齢に応じ使用制限があります。具体的には、6か月未満の乳児には使用不可、6か月以上2歳未満は1日1回まで、2歳以上12歳未満は1日1~3回まで、などが挙げられます。また、12歳未満には濃度30%を超える製品は使えません。

一方、イカリジンは、年齢制限がなく使用可能です。乳児にも使いやすいため肌の弱いお子さんにはイカリジン配合の虫よけが選択肢になります。

ただしイカリジンは、対象となる虫の種類がディートより少ない(蚊、ブヨ、アブ、マダニに有効)点に注意しましょう。

虫よけと日焼け止めを両方使う場合は、日焼け止めを先に塗り、十分乾いてから虫よけを塗布します(混合タイプの製品は日焼け止め効果が弱まるため推奨されません)。屋外から戻ったら、子どもの肌に残った虫よけ剤は石けんで洗い流すようにしましょう。

適切な予防や応急処置で、お子さまを虫刺されから守っていけるといいですね。


■回答してくれたのはこの方■

濵野 翔 はまの しょう 先生

杏林大学医学部卒。小児科医。アレルギーと呼吸器を専門とした小児科「ベスタこどもとアレルギーのクリニック」院長。


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