離乳食の進め方【中期(生後7~8か月ごろ)】食材やメニューなどを詳しく解説

離乳食をスタートしてから2か月ほどが経ち、だんだんと赤ちゃんが1日2回の離乳食を食べることに慣れてくる時期です。初期は食材を飲み込む練習でしたが、中期からは少しずつ水分量を減らして舌と上あごでモグモグしながら食べる練習をしていきます。

離乳食初期は栄養のほとんどを母乳やミルクからとっていましたが、中期以降は食べる量や食べられる食材も増えてくるため、中期からは栄養バランスも意識し始めましょう。

中期は7~8か月が目安の時期とされていますが、個人差があるので、赤ちゃんそれぞれのペースにあわせて進めていきます。

ステップアップの目安は?

「そろそろ中期に進んでいいのかな?」「目安はあるの?」と疑問に感じている方もいますよね。まずは中期スタートの3つのサインをご紹介します。迷ったら参考にしてみてください。

1.口を閉じて上手にごっくんと飲み込める

ペースト状のものを口を閉じて上手に飲み込めるようになっているか確認してみましょう。

2.自分から口を開けて食べたりと、積極的な様子がある

スプーンを嫌がらず、食べ物が口に近づくと自分から口を開けるなど積極的な様子が見られたらOKです。

3.離乳食を喜んで食べている

1回、または2回の離乳食を喜んで食べているか、離乳食を食べている赤ちゃんの機嫌も観察してみましょう。

進め方のポイント

離乳食中期の進め方のポイントをいくつかご紹介します。

1.1日2回の離乳食で食事のリズムをつくりましょう

2回食のリズムを定着させるために、できるだけ毎日決まった時間に離乳食を食べるようにしましょう。離乳食と離乳食の間隔は赤ちゃんが食べ物を消化する時間を考えて、4時間以上あけるようにしてください。

2.赤ちゃんの様子を見ながら形状をステップアップさせてみましょう

徐々に離乳食の水分量を減らしていきましょう。ツブツブのみじん切りやマッシュした野菜などのメニューも取り入れていきます。ただ、急激にステップアップすると赤ちゃんが急に食べなくなることも。無理をせず、赤ちゃんの様子を見ながらゆっくりステップアップしていきましょう。

3.舌と上あごでモグモグ食べる練習の時期

舌を上下に動かして上あごに食べ物を押し当て、押しつぶして飲み込む練習をする時期です。やわらかなかたまりを混じるメニューを用意しましょう。

しっかりモグモグするためには足に力を入れて踏ん張れる姿勢が大切です。食事用の椅子に座らせて食べられるようにしたり、なければ足を置く台を用意するなど工夫してみてください。

4.いろいろな食材にチャレンジ!味や舌ざわりを楽しめるようにしてみましょう

中期になると食べられる食材がグンと増えます。特にたんぱく質食品のバリエーションが豊かになります。野菜やおかゆと組み合わせていろいろなメニューに挑戦してみましょう。

メニューを考えるのが大変と思うかもしれませんが、いろいろな味や舌ざわりを赤ちゃんが楽しめるように、頑張ってチャレンジしてみてください。

やわらかさ・大きさの目安、味付けは?

おかゆは少し水分を減らして7倍がゆに。食材のかたさは舌と上あごでつぶせるくらい、豆腐くらいのやわらかさを目安に調理してみましょう。

味付けはだしが主になります。昆布だし、野菜だしのほか、かつおだし、ささみだしも使えるようになります。

赤ちゃんによっては、食材が大きくなると吐き出したり、食べなくなったりすることもあります。食べにくそうなときは食材を少し小さくしたり、水分量を多くしたりと少し前に戻っても大丈夫。赤ちゃんに合わせて焦らず進めていきましょう。

やわらかさ・大きさの目安

7倍がゆ

中期からは7倍がゆにします。少し粒が残る程度に軽くつぶして与えます。慣れてきたらすり潰さないで与えてみましょう。

野菜

野菜は指で簡単につぶせるくらいまでやわらかく煮て、2mmほどのみじん切りからスタートします。1~2か月かけて3mm~4mmほどの大きさにしていきます。

肉と魚は茹でて細かくほぐすかみじん切りにします。慣れてきたら少し大きくします。

味付けは薄味が基本!かつおだしなども使えるように

離乳食初期と変わらず、薄味が基本です。味付けに使えるのはだしが主になります。昆布だし、野菜だしのほか、中期からはかつおだしやささみだしも使えるようになります。だしを離乳食に加えることで、だしのうまみが加わって、毎日の離乳食に味の変化をプラスすることができます。

1食分の目安量は?

離乳食中期の1食分の目安量を3つの栄養素別にまとめました。食材にもよりますが、初めて食べさせる食材は小さじ1から始めるのが基本です。目安量はあくまで目安ですので、この通りにいかなくても大丈夫ですよ。

炭水化物 

  • 7倍がゆ 50~80g
  • うどん  30~55g
  • 食パン  15~20g

たんぱく質

  • 豆腐   30~40g
  • 魚・肉  10~15g
  • 卵    卵黄1個~全卵1/3個
  • 乳製品  50~70g

ビタミン・ミネラル

  • 野菜 20~30g
  • 果物 20~30g

食べさせ方のポイント

赤ちゃんが食べやすくするために、姿勢や、スプーンの運び方にも気を配りましょう。離乳食をどんな姿勢であげるのか、スプーンをどうやって口に運ぶのか、ポイントやコツをご紹介していきます。

どんな姿勢で食べさせるの?

支えなしで1人で座れるようになったら、ベビーチェアや椅子に座らせて食べさせてみましょう。足の裏が床にしっかりつくようにすると、安定した姿勢をとることができます。そうすると、あごや舌に力が入り、赤ちゃんが食べやすくなります。

もし座って足の裏がつかないようであれば、座布団などで高さ調節をしてあげると◎

どうやって食べさせるの?

スプーンを下唇にのせて口を開けるのを待ちます。下唇にスプーンを置き、口を閉じて食べ物を取り込んだらまっすぐ引き抜きます。もし自分でスプーンを持ちたがる様子があれば、持たせてみてください。柄の長いスプーンは喉をつく可能性があるため赤ちゃんが自分で持つ場合は柄が短いもの持たせましょう。

1日の大まかなスケジュールは?

ここでは、離乳食中期のタイムスケジュール例をご紹介します。離乳食中期は2回食のリズムをしっかり定着させていくことを目指しましょう。なるべく毎日同じ時間帯にあげられるとリズムがつきやすくなります。新しい食材にチャレンジするときには1回目の離乳食の時に与えてください。

離乳食中期タイムスケジュール例

  • 6:00
     

    母乳・ミルク
       

    ミルク
  • 10:00
     

    離乳食
    +母乳・ミルク

    離乳食ミルク
  • 14:00
     

    母乳・ミルク
      

    ミルク
  • 18:00
     

    離乳食
    +母乳・ミルク

    離乳食ミルク
  • 22:00
     

    母乳・ミルク
      

    ミルク

 

1回分の献立例

離乳食中期の献立例をご紹介します。毎日の離乳食づくりの参考にしてみてください。

離乳食中期 献立例

【主食】

トマトとツナのあんかけ丼


【主菜】

キャベツと豆腐のとろみ煮


【副菜】

さつまいもとにんじんのポタージュ

中期はもぐもぐ食べる練習をさせましょう

中期は離乳食にママ、パパ、赤ちゃんが慣れてくる時期。少しずつ大きさやかたさもステップアップさせながら、舌と上あごを使って食べる練習に切り替えていきましょう。

ただ、無理はさせないでください。もし、ステップアップして食べづらそうなら、いったん前の大きさやかたさに戻してもOK。赤ちゃんの様子を見ながら、徐々にステップアップして食べる練習を進めていきましょう。


■監修の先生

管理栄養士山本さん

山本 理江 やまもと まさえ 先生

管理栄養士・フードコーディネーター。乳幼児健診での食事指導や離乳食~幼児食教室に携わる。食育講演、子育てに関する講演および料理教室なども行っている。


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